「小机は まず手習いのはじめにて いろはにほへと 散り々になる」
この歌は 室町末期の名将:太田道灌が長期戦になりつつある城攻めで士気が衰えた部下を鼓舞するために謡った歌です。
何事も最初は 腕試しに簡単なことからさらっと片づけてみて 次に行ってみようっ!! ということで
ブログ最初の銅像は いつでも見に行ける距離の 銅像から始めてみます。
2年前にデジカメ買い替えて まさに腕試しに撮影した記念すべき銅像でもあります。
太田道灌と紅皿 (久遠の像)・・・東京都新宿区 新宿中央公園
太田道灌の有名なエピソード「山吹の里」を表現した銅像です。
鷹狩に出かけた道灌は、帰り道に急な大雨に遭い、「蓑を貸してほしい」と一軒の民家に伺います。
出てきた 若い娘:紅皿 は 黙って 一輪の山吹の花を差し出しました。
突然の意味不明な行動をする娘に激怒して道灌はその場を立ち去ります。
後日 歌道に明るい道灌の部下が 兼明親王の歌
「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」
の 実の=蓑 を掛けて 貧しいがゆえに 蓑も貸せないことを 山吹の花を差し出すことで訴えたのではないかと説明します。
これを聞いた 道灌は 和歌の知識がなかったことで庶民の気持ちを理解できなかったと自分を恥じ、
歌道にも精進したという文武両道の太田道灌公に相応しいエピソードです。
立ちすくむ道灌公・・・・・ 扇子に乗せて山吹の花 を差し出す 紅皿
そりゃ、無言でこんな常識ないことされれば 誰だって怒るでしょう・・・・・。
「なぞかけ」じゃあるまいし、 「蓑」と「山吹」を掛けまして 兼明親王の歌 と解きます。 そのココロは?
なんて思いつきませんよね(笑)
見よ!カッと目を見開いた この道灌の形相?? 不可解な娘の行動に危ない女と引いていたのかも・・・。
この記事も太田道灌の歌で始まり、山吹の里にまつわる歌のエピソードで終わるという お後が良ろしいようで・・・
撮影:2008年3月27日